ジャリ…ジャリ…と
靴が小石を踏む音。


遠くでホー…ホー…と
不気味に鳴くフクロウ。


そんな些細なことでさえ、
今の私には
緊張の糸を張り詰める
材料にしかならない。


同じタイミングで
足を前に運ぶ、私たち。


私と、智。


……どうしょう…
何を話したらいいのか……


しかもっしかも!!!!

すっかり忘れてたけど…


私…………
智にキスされたんだった!!!!


どうしょう…どどど…どうしょう…
今の今まですっかり忘れてたから
急に恥ずかしくなってきた…


私の心拍数が上がる。


どうしょう……


「………ごめん」


「え?」


私はびっくりして
後ろを振り返った。


智は数メートル後ろで
立ち止まっていた。