「お前のことは…大事な友達だと思ってるから……付き合うなら、ちゃんとお前のことを好きになってからにするよ。」


「…………智…」


頭をわしゃわしゃとかきながら
照れくさそうに言う智に、
優奈は泣きそうになっていた。


「…だから、お前のこと好きになれるように…努力するから。それまで待っててくれよ」


「………うん、わかった。」




へへっと溢れそうな涙を拭って、
優奈は笑ってみせた。


そんな優奈をみて、
智もすこし笑った。


気まずい空気が、
少し晴れた。


「よしっ!!では、気を取り直して、宝探し始めるよーっ★」


葉月が『はいはい!!』と
いうような感じで
パンパンと手を叩いた。


「おうっ!そうだな!!じゃあ、行くか!!」


再びにぎやかになった私たち。


優奈の目に、もう涙はなかった。


智の懐中電灯で道を照らしながら、
お寺へと向かう。


そんな中


「ねぇ、グループ分けしない?」


真琴が思いついたように言った。