……たぶん、仕事のやり過ぎで疲れてんだな。

多忙な生活が続いているため、生活に少しでも潤いが欲しんだろう。

俺はしばらく、猫の様に体を丸めて寝る天宮の姿を見ていた。

「ん?なんだ」

天宮の胸に手紙が抱かれている。眠っていても離さない為、よほど大切な手紙なんだろう。

試に手紙を取ろうとしたがピクリとも動かなかった。

「はぁ……、それにしても幸せそうに寝てやがる」

本来なら寝不足気味の俺に寝てる姿なんて見せたら、蹴り飛ばしたくなるが、幸せそうに眠りにつく天宮にはどうしてもできない。

イタズラ心で頬を指で突っついてみるが、天宮は起きない。

よほど疲れてんだな。

まぁ、慣れない環境の中、昨日は俺、今日は総司と試合をしたんだ。疲れないはずがないか。

「だが、このままじゃ風邪を引くな」

俺は着ていた羽織を脱ぎ、天宮の体に掛けた。

「ん~……」

すると天宮は小さく呻きながら俺の羽織に顔を埋め、また静かに眠り始めた。

斎藤が言ったように本当に子猫みたいだな。

可愛い奴。

「さて、部屋に戻るか」

俺は静かに天宮の部屋を後にした。