不意にポンと頭に手を置かれた。

「天宮ァ、俺の隊でもいいですぜ」

次に話し掛けてきたのは藤堂さんです。まさか藤堂さんからも入隊の勧誘を受けるとは思っていませんでした。

朝あんなに喧嘩したのに、なぜ私を勧誘するのでしょうか。

……いくら考えても分かりませんね。

単なる気まぐれでしょうか。

でも、朝の状況からして私と藤堂さんの相性は最悪だと思います。

藤堂さんと同じ隊にいると、変な化学反応が起きて、喧嘩ばかりしていると思います。

混ぜるな危険ですよ。

すると頭に置かれていた藤堂さんの手首がガシッと掴まれました。

掴んだのは斎藤さんです。

「平助。先に勧誘したのは俺だ。邪魔をするな」

「斎藤君の隊は俺の所よりも多いだろい?隊の戦力を平等にするって意味で、天宮をこっちに寄こしてくだせェ」

「斎藤、平助。天宮は俺の小姓だっつってんだろ。てめえらこそ邪魔すんな」

私の中心にして三人が睨み合いを始めました。

三人に囲まれて動きたくても動けないこの状況。あまりの息苦しさに窒息死しそうです。

「ぷぷっ、天宮、おまえ大変だな」

原田さん、ごもっともです。それよりも、笑ってないで私を助けてください。