あまりの痛みに蹲っていると

「あっ、またやっちゃった!!天宮さん、ごめん!大丈夫!?」

あたふたと慌てた組長が心配してくれました。

「そっ、そうだとにかく冷やさないと!」

組長が井戸の方へと走り出すと、すぐに水で冷やした手拭いを持って来てくれました。

「ごめんね、すぐに冷やすから」

そう言って、組長が優しく私の頭に冷たい手拭いを置いてくれたのですが

「……あの、組長。これ絞りましたか?」

「えっ?絞ってないよ。だって絞らない方が冷たいかなって……。まさか絞った方がよかった!?」

そうですね。どちらかといえば絞って欲しかったです。

おかげで頭から水がボタボタ落ちてきて、顔と着物がびしょ濡れになりました。

「ごめん!本当にごめん!」

「別にいいですよ。それよりも手拭いありがとうございました」

組長に悪気は無かったんです。だから怒ったりしません。

むしろ私は冷やした手拭いを持って来てくれた事に感謝しています。

「とりあえず縁側で休憩しようか」

「はい」

縁側に座りながら頭を冷やします。しばらくじっとしていたら頭の痛みが治まりました。

「あのさ天宮さん、さっきの力は何なの?」

さっきから私をジッと見ていた組長が言いました。