side蓮

1on1やることになった。
こいつ、うまい。
たぶん俺よりもはるかに上手い。

でも、あいつ本気だしてない。
いや、たぶん出せないんだ。

あいつの心にある傷は俺が考えてるよりももっとずっと深い。

「お前の本気はこんなもんなのか!?
全然お前の本気の半分もだしてないじゃねーか!!
お前のバスケへの愛情はそんなものなのか!?」

気づいたらおれはこんなこと言っていた。

「そんなわけない!!バスケが好きで好きで大好きでしょうがないんだよ!!
でも、怖いんだ。自分が逃げてるのわかってる。悠のことも。全部全部逃げてるの!!だから、全部中途半端なんだ。何もかも。」

そう言って、雅は泣きじゃくってた。

頭を撫でてやることしかできねぇー俺は情けない。