「なあ、風間好きならバスケ一緒にしよーぜ。」

龍崎くんは、きっと昨日の私の叫びを聞いてたと思う。
そして、気を聞かせて今こんなこと言ってくれてるんだ。

龍崎くんは優しい。でも甘えられない。

「私はバスケ部にはいんないから。」

「バーカ。誰が部活入れって言ったんだよ。俺はバスケしよ?って言ったんだ。」

そして、私にボールを渡してきた。

「過去に何が、あったかわかんねーけど、バスケ好きならやれ。後悔するぞ。
俺と1on1やれ。」

すごく強引だけど、これが龍崎くんの優しさってわかるから。


「言っとくけど、私強いからね?」

そう言って、私は龍崎くんと1on1やった。

「はぁっはぁっはぁっ」

やばい、こいつうまい。
私が仕掛けても全然平気な顔してこなしやがる。

「お前の本気はこんなもんなのか!?
全然お前の本気の半分もだしてないじゃねーか!!
バスケへの愛情はそんなものなのか!!」

「そんなわけない!!バスケが好きで好きで大好きでしょうがないんだよ!!
でも怖いんだ。自分が逃げてるってわかってるの。悠のことも。全部全部逃げてるの!!だから全部中途半端なんだ。何もかも。」

気づいたら私は、地面に座り込み泣きじゃくっていた。
どうしようもなく泣いてたら、
いつの間にか蓮が、抱き締めてくれていた。

「りゅっ、りゅうりゅーざきくん?」

「泣き終わるまでこうしといてやる。
不細工な顔誰にもみせれねーだろ。」

「ひっどーい。ばーか。」


それから龍崎君はなにも言わず頭を撫でてくれてた。

なんだろう。すごく心臓うるさい!なんでだろ。
すごくドキドキする。
この気持ちは何?