「公式戦まえやったからいってなかったんや。」 一番最初に声を出したのは大雅だった。 「がんやって思ったらお見舞いくるやろうから練習集中できひんやろう思って 言ってくれてなかったんや」 大雅は少し泣いているようだった。 「なんで………」 一年マネージャーは二人とも泣きじゃくった。 二人が泣くと同時に、ポツポツとすすり泣く声が聞こえる。 村田の悲報はラグビー部最大の後悔だった。