そんな、何処にでもありそうな日常風景。
それが当たり前だと信じて
この先もずっとこの風景の中
少しずつ大人になっていくんだろうと思っていた。
「じゃあ、また明日」
「うん、またね」
「ばいばい」
いつもの別れの挨拶を済ませて
私は二人を別れて電車に乗り込む。
同じように学校を終えた学生たちが
眠そうな目をこすりながら座席に座って、
音楽を聴いている人
携帯をいじっている人
各々が自分の世界へと入り込んでいく。
私も、持ってきているイヤホンを耳にさして
お気に入りの音楽を流す。
体で小さくリズムをとりながら
窓から見えるきれいな夕焼けに
しばらく黄昏る。
【○○駅~○○駅~】
車掌の癖のある声がアナウンスされて
ハッと我に返り電車を降りる。