食べ終わった食器を流し台へと持っていき
玄関に置いておいた鞄を肩へかける。







「それはそうだけど‥駅から家までは徒歩でしょ?何があるかわからないし」






お母さんはまだニュースのことを引きずっているようで
ローファーに履き替える私の後ろで
ぶつぶつと独り言のように話し続ける。






「もう、心配しすぎ。あ、今日部活あるから、ちょっと帰り遅くなるかもしんない」


「分かった。気を付けてね。いってらしゃい」


「行ってきます」







勢いよくドアを開けて、今日もまた、いつも通りの日常を過ごすつもりで
家を出た。そう、そのはずだったんだ――‥。