忙しく、
不思議な出会いが訪れた夏も過ぎ去り、
秋の季節がやってきた。
私は今日もいつも通り
母のお見舞いに来ていた。
「お母さん、最近調子はどう?」
私がベッドの横の丸椅子に腰掛けると、
突然お母さんがニヤニヤと笑い出した。
「何?どうしたの?」
「それがね、梓!
この間先生から色々話を
聞いたんだけど.....
お母さん薬が順調に効いてて、
癌も随分小さくなったって!」
お母さんは笑顔で私にVサインを送る。
そんな母の顔は、確かに
以前よりも随分と生き生きとしているし
顔色も良くなっている。
「よかった..... よかったよー!!」
そんなお母さんを見ていると、
自然と涙が出てきて、
私はそのまま小さい子供みたいに
泣きじゃくり、
そんな私をお母さんは昔みたいに
抱きしめると
優しく背中をさすってくれた。