無我夢中で走った。だから、足元にあった小石に気づかなかった。

ドデッ!

俺は見事に転んだ。慌ててたからカバンのファスナーも止めずに走って転んだら中身が全部でた。

「まじかよ…つか、足から血がでてるし。」

なんで、朝練の前にケガしなきゃいけないんだよ。

そう思いながら周りに散らかったものを片付けてた。

「あの~。きみ、大丈夫??」

そう聞こえて顔をあげた。女の人だった。

「あ、大丈夫です。」

「ちょ!ちょっと、足から血がでてるじゃない!大丈夫じゃないじゃない!」

女の人は俺の足を見て目を大きくして言った。

「いや、ほんとに大丈夫なので…」

「ダメだよ!手当てしないと!あ!そ~だ!あたしの学校にきて!保健室で手当てしてもらおう!」

え、学校に行くんっすか?俺、まだ中学生っすよ。

「ほら、いくよ!」

女の人っていうか、女子高生の人に半ば強引に連れて行かれた。

しかも、俺の学校とちょっと近いし…。