生徒会メンバーは、基本的に皆フレンドリーだ。
たぶん、俺を除いた全員が、周りからはそういう印象を持たれているだろう。
初対面だからといって臆することなんてない。
みんな遠慮なく話しかけるものだから、初めは少し驚いた様子だった晴山さんも、だんだんその空気になじむように表情を和らげていた。
……大丈夫、みたいだな。
そんな思いと共に、ふっと心が軽くなった。
自分でも自覚しないうちに、彼女が初対面の面々に囲まれて嫌な思いをしないかと案じていたのだと、そのとき初めて気づく。
生徒会のメンバーが晴山さんに危害を加えるとは微塵も思っていないけど。
晴山さんのほうが、慣れないメンツばかりの状況をストレスに感じるのではないかと思ったんだ。
……って、ちょっと待て。
なんで当たり前みたいに晴山さんの心配してんの?
俺ってこんなに心配症だった?
晴山さんだって子どもじゃないんだから、多少嫌なことがあっても自分でどうにかできるでしょ。
ていうか対人関係については俺なんかよりよっぽど上手くやれるはずだ。
それなのに、なんでこんなに心配してるわけ。