ついさっきまで俺の隣にいたはずの晴山さん。
一体いつの間に陽に連れ去られていたんだ。
そう思いながらも、大人しく余っていた椅子に腰かける。
俺が座ったことを確認した陽がにっこり笑い、そして一度、ぐるりと楕円形のテーブルに座った皆の顔を見回した。
「よーし、みんな揃ったね!みんな、たくさん食べて、たくさん楽しんでいってね!誕生日なんてただの口実で、ただ皆で集まって騒ぎたかったっていうのが本音だから!」
「何言ってんの!主役はヒナでしょー!誕生日おめでとうー!!」
陽の言葉に反応したメンバーのひとりが声を上げれば、他のメンバーからも「おめでとう」の大合唱。
嬉しそうに「ありがとう!」と笑った陽の隣で、晴山さんは戸惑いながらも「おめでとうございます」と緊張気味に微笑み、陽に向かって小さく頭を下げていた。
「晴山さんも、ありがとう!あ、みんな!今日はなんと、遥斗のお友達もお招きしちゃったから!ね、遥斗!」
「……なんで俺に振るわけ?」
俺に向かって嬉しそうな笑みを向けてきた陽に、呆れた声を返す。