植物の鮮やかさを脇目にまっすぐドアまで進むと、俺がそれを開けるよりも先に内側から扉が開いた。
「いらっしゃい!来てくれてありがとう」
ドアを全開にして、にっこりと怖いくらいとびきりの笑顔で出迎えてきたのは、陽と生徒会メンバー。
このテンションからすると、どうやら俺と晴山さんの到着が最後のようだ。
「あなたが噂の速水の友達!?やだ、普通に可愛い!」
「全員そろったし、早くケーキ食べよー!」
わいわいと賑やかなメンバーに囲まれて、なんとかリビングまで辿り着く。
おそらく俺と晴山さん以外のメンバーによるものだろう、部屋の中は手作り感溢れるカラフルな飾り付けがなされていた。
テーブルの上にはすでにたくさんの料理が並んでいて、食欲をそそる香りがする。
「はーい、みんな、席についてー、注目!」
陽が声をかけると、メンバーがそれぞれ椅子に腰かける。
陽の声に、彼女と、そしてその隣に立っている晴山さんのもとに、みんなの視線が一斉に集まっていた。