♯2 side*遥斗


「わああ、何コレ、お城!?」

「そんなわけないでしょ」


無事、陽の誕生日プレゼント選びを終えた俺と晴山さんは、陽の家に着いたところで、目の前の家が目的地だと分かると、晴山さんは素っ頓狂な声を上げた。

確かに俺も初めて陽の家に来た時には、あまりの大きさに驚いたし、一緒にいた生徒会メンバーもそれは同様だったけど。

晴山さんほどの反応をした人はいなかった。

うん、さすが、晴山さんだ。


目の前にあるのは、家というよりお屋敷という言葉が似合う、西洋風の外観をした広い庭付きの豪邸。

立派な門の横についたインターホンを鳴らすと、「いらっしゃーい、入って!」という陽の元気な声が響いた。

キィ、と微かに軋んだ音を立てて門を開ける。