「今日のあんた、いつもより顔立ち甘くて女っぽく見えるんだよね。
……そのワンピースが俺好みだからそう思うのかな」
────なんなの、この人。
一瞬、自分の心臓、止まったかと思った。
「そ、そういうことこそ、志賀先輩に言ってあげたらいいと思うよ」
「そういうことって?」
意味が分からない、という顔で私を見る速水くんに、私は心の中でため息を吐いた。
速水くんって、やっぱりよくわからないよ………。
心臓が、まだ少しいつもより速く脈打っている。
速水くんのまっすぐな言葉は、良い意味でも悪い意味でも、すごく。
すごく、心臓に悪い。