「おめでとう。晴山さんも今日から生徒会の一員。……ちなみに拒否権はないから」
「……はい!?」
いきなり何を言いだすの、この人!?
目を丸くした私の手を取り、差し出していた手をひっくり返して、私の手のひらに何かを乗せた。
────コロン、と軽く転がった何か。
私の手のひらに乗っていたそれは、……生徒会の記章だった。
生徒会長になる速水くんは、すでに金色のバッジをつけているけど、私の手に乗っているのも間違いなく同じデザインの、銀色のバッジ。
「これ……」
「忘れた?……生徒会長には副会長を指名する権利があること」
速水くんの言葉にも、驚きすぎて頭がついていかない。
「この会に、生徒会に無関係な人間なんて絶対呼ばないよ。いくら彼女でもね。
……選挙に勝てたのは、あんたがサポートしてくれたからだと思ってる。
晴山さん、生徒会向いてると思うよ。あんたが副会長になること、他のメンバーも賛成してくれた」
そう言って、ふわりと優しく笑った速水くん。
私は、あまりに想定外の出来事にすぐには言葉が出なかった。