ふと脳裏に浮かんだのは、私が昨日、衝動的に彼にぶつけた言葉。


「……」


え。

まさか、さっき速水くんが言っていた、挑発、ってそれのこと!?


私があんなことを言ったから、速水くんは急に生徒会長になろうなんて思っちゃったの!?


そ、そんな。

単純すぎる。

単純すぎるよ速水くん!!

いつも私のことを頭が弱いとかいろいろバカにしてくるけど、速水くんの方がずっと単純なんじゃないの!?


驚愕に何も言葉が出ないでいると、どうやら私の思考を読み取ったらしい速水くん。

「そういうことだから」と不敵に笑って、私の手から紙を奪い取って机に置き、半ば無理矢理私にボールペンを握らせる。


「ホラ、早く書いて。もう昼休み終わる」