いつも通り、まっすぐで迷いのない速水くんの声。

冷静すぎるその声に、私の頭は全くついていけない。

向けられた視線に、戸惑いながらも見つめ返す。

速水くんの綺麗な黒の瞳に自分が映っているのが見えて、なんだか心が落ち着かない。



「……責任、なんて言われても」

しばしの沈黙の後、やっと言葉を押し出すと、再び速水くんの眉間にシワが寄る。


「晴山さんの挑発に乗った俺がバカだったかな」

「え!?私、挑発なんてしてないよ」


そんな攻撃的なことしないし!

私が驚いてそう返すと、速水くんは厳しい表情のまま、トン、と指先を机に置いた。

反射的にその指先が示す場所を見ると、速水くんが私に名前を書くように促している紙の一部分に彼の指が乗っていて。