……さっきも誰かが似たようなセリフを言っていたように思うのは、俺の気のせいだろうか。
何、女子って案外不器用な人が多いわけ?
「で?」
何を手伝えと言われているのか。
半ば予想がつきながらも、陽の言葉の続きを促すと。
「遥斗、無駄に手先器用だったよね。……これ、つけて欲しいの!」
見事、予想通りの言葉が返ってきて、俺はため息交じりに彼女から髪飾りを受け取ったのだった。
こういうのは女子に頼めばいいのに、と思わなくもないが、生徒会メンバーのうち、女子は陽と、そしてこの髪飾りをプレゼントした梶原結奈(かじわら ゆな)先輩のふたりだけ。
陽としては、梶原先輩には着けたところを見せたいのだろうから、仕方ない。
……相変わらず、いい性格してるとは思うけど。
平たく言えば、なんて無神経なやつなんだ、って。
俺が告白したことなんて、もうすっかり忘れているんじゃないのかとさえ思ってしまう。