「行こっか」


「…うん。」



私の左側を歩く春紀。
これもいつも。


歩くペースも私と一緒。

チラッと左を見ても真っ直ぐ前を見てる春紀には気づかれない。


きっと私が横に居ても居なくても
春紀には何も変わらない。


それがたまに…すごく空しくなる。

自分の居場所が失くなってしまうようで。



だから何も触れない。


この奇妙な関係のままでもいい。