話せてよかった。 あたしがもっと強い人間だったら 記憶を失くさないで済んでたのに。 家族がいたことも、 お姉ちゃんの存在すら 全く思い出すことができなかった。 それから段々と出来事を忘れてしまった。 でもそれにも気づかなかった。 春紀、ありがとう。 思い出させてくれて。 本当にありがとう。 ここまで聞いてくれて。