喜んでいいのか、悲しむべきなのか。


「あたしずっと忘れていた。」

伊勢が自分の口で語ってくれた。


「なにを?」

「春紀のことも、家族のことも」

「…思い出したんだ。」


「うん、すこし。…ごめんね」