俺の脚は自然と玄関の方へ行き、
エレベーターに乗った。

もちろん6階のボタンを押す。


そして603号室のインターホンを押す。

ゆっくりと開くドア。



ドアの隙間から伊勢の姿が見えた。


「あのね…、手紙書いてみた。自分に…」

「そっか。よかった。」



伊勢の顔は痛々しかった。

一晩中泣き腫らしたのか目が真っ赤で鼻声だった。


部屋入るといつものソファーに案内された。


こういう感じは以前と全く変わらないな。




「俺には見せてくれないの?その手紙」

「…だめかな。」



ダイニングでお茶を用意してくれてる
伊勢に声をかけると
顔だけひょこっと出し弱弱しく微笑んだ。


こんな風に会話が出来る日が来るなんて。