12月1日。土曜日。


伊勢の誕生日の前日。


明日で伊勢は17歳になる。

俺はとっくに17歳になってる。



俺の誕生日すら忘れていた。

いや、記憶を失くしていたのか。


記憶を失くしていた方が彼女の為だと今まで思ってた。

だから、俺からは何も記憶を蘇えらせてしまうようなことは
一切言わなかった。



知らないなら知らないままの方が
幸せなんじゃないか?
って。



でも、状況は一向に進まなかった。