そう自分で言った時思い出した。








春紀の優しいようで悲しい笑顔を見たときの事。

同時に、

今まで忘れていた出来事がすべて蘇えってきた。





全て。





幼少期からの出来事が。

頭に雷が走ったようだった。






春紀は無表情で無口な子なんかじゃなかった。


私には両親と姉がいた。


友達だっていた。


そして彼氏だっていた。


でも全て失った。




消えてしまった。






「…思い出した。」