力が入らなくなり立っていられなかった。



「伊勢っ!」



気分が悪い…、
手が震える…、
息が出来ない…


怖い、怖い、なにこれ…なに?


「大丈夫だから。伊勢。安心して…大丈夫だから。無理に呼吸しなくていいんだよ」


肩にそっと手が置かれた気がした。


温かかった。



「大丈夫。怖い事なんか何もないから。大丈夫だよ。
何があっても俺は伊勢の味方だから。」



肩に乗っかった手に力が入った。



力強くて自分には無い安心感がそこにはあった。


あたしの気持ちは段々と落ち着いていった。


息が出来る。

手だって自分の物みたい。