11月30日
私は学校を休んだ。
高校に入って初めて休んだ。
外に出たくなかった。
春紀に会いたくなかった。
何も考えずに只々ぼーっとして過ごした。
外を見ると私の好きな通学路が見える。
もう冬だからオレンジや黄、茶の葉が
散り始め見やすい景色になっていた。
すぅすぅして寒そうな外の世界に虚無感を抱いた。
別に悲しいわけではないけど
虚しい。
自分だけがこの世界の住人ではないような気さえもした。
違和感のような不安がまた恐怖に変わる。
理由のない恐怖に怯える心。
それはとても居心地が悪く疲れるものだった。
消衰ってこのことかもしれない。