自分でもなんで今ごめんなさいって
言ったのか分からなかった。
「なんで謝るの?」
「…ごめんなさい、分からないの。」
「そっか。まだいいよ。ゆっくりでいいから。」
なにが?
なにがゆっくりでいいの?
マンションまで着くといつも通り
春紀が鍵でエントランスの戸を開けた。
エレベーターに乗る時も私の階のボタンを押してくれる。
6階に着けば私は降りる。
「じゃあ、また明日。」
「…またね。」
春紀はそのまま……、
何階だっけ?
あれ……。
春紀何階に住んでたっけ?
「…春紀…、何階…?」
「どうした?そんな怖い顔して。俺は7階だよ」