気づけば いつも 家を出る予定の10分前。


「やっべー…あー…。くっそ。
朝飯はいーか。コンビニ寄るべ」

「じゃあ、ほら歯磨きして、
髪整えて! 前髪爆発してるよ!」


「うす!」



欠伸をしながらのんびり階段を下りる悠月をせかしつつ、後ろから水スプレーを頭に振り掛けて、ブラシでとかす。


これもあたしの、毎朝の日課になりつつある。




「ホント、相変わらず
剛毛なんだか、らぁっ!」


ホント 固すぎ。
ブラシでとかしても
とかしきれないし、量多過ぎだろ…。



そして、洗面所に到着。

悠月がイスに座って歯磨きしてる間に、ワックスを手につけて、適当にはねさせる。



「ど? いーかんじじゃん?」


「お。さすがだな。
ふわふわしてて完璧。」


悠月は 鏡を見ながら
髪を少し整えて、よしっ、と小さく呟いた。