それを追うためにも、別れたんだ。


……なんて、都合のいいことを並べたって、結局は逃げただけ。

当時の私にとって、それだけ大きな障害だったんだ。



高校を卒業したあと、彼は地元のプロサッカーチームに入り、私は地元を離れた。

一切、連絡も取らなかった。

それでも、彼の様子は気になっていた。


プロ入りして半年で試合に出ていた。

控えばかりだったけど、それでもたまに交代で出ていた。

それが5年も経てば、主にスタメンで出ていた。

この5年間、大きな怪我もなく頑張っていた。


私は、こっそり観に行ったこともあった。

別れたとは言え、嫌いな訳ではなかった。

むしろ、気になっていたから。