プロ入りの準備のため、すれ違いが増える。

それが、寂しく思えた。

私も応援していたことだったのに、日に日にプロに行くことを嫌だと思うようになった。


それでも、彼には言えなかった。

嬉しそうにしている彼を見たら、私のわがままな想いを伝えることなんて出来なかった。


そんな中、私の想いを知ってか知らずか、“ついて来て欲しい”と言った。


ここはたぶん、喜んで頷くところだったと思う。

可愛げのある彼女なら、そうしていると思う。


だけど私は、別れを選んだ。

プロになって有名になっていく彼を見るのが怖かった。

いつか、離れてしまうんじゃないかって。


それに、当時の私にも夢があった。

結局、叶うことはなかったけど。