同じクラスでも接点がなかった。

だから、告白された時は驚いたし、警戒した。

私に言い寄ってくる人に、まともな人はいなかったから。


だけど、彼は違った。

いつでも紳士で純粋で。

手を繋ぐのにも時間がかかるような人だった。

そんな姿を見たら、私もすぐに好きになった。


それから、毎日が楽しかった。

この人となら、ずっと一緒にいられると思った。

それだけ好きだったのに、進路が私たちの仲を裂いたんだ。


……イヤ、違うな。

一緒にいようと思えばいられた。

でも私には、そんな勇気がなかった。

どんどん有名になっていく彼の隣にいる勇気がなかったんだ。