それは、さっき呼んだ声が証明している。
今この状況が現実だと訴えているんだ。
「亜季……こんな再会の仕方でごめん」
あの時と、何も変わらない優しい声で言われる。
そっと私の手に触れる温もりすら、懐かしく感じる。
不意に泣きそうになってしまう。
会いたいと願った人が目の前にいるから。
それでも、分からないことはある。
「何で……？どうして？……どうして隆弘なの？」
私は泣きそうになるのをこらえて、下を向いて絞り出すように言った。
タカと紹介された人は、高校の時に夢という障害にぶつかり別れを選んだ元カレ、新山隆弘だった。
だから、会うのに躊躇ったのは分かった。
でも、そもそも紹介なんてしなければ会う問題なんて起きなかったはずだ。
