「ちょっと!何で手を引っ込めようとしてるのよ!
起こしてくれるんでしょ!?」



「え!でも・・・!」



「なによ!」



早乙女さんは俺の手を無地やり引っ張り
起き上がった。



「まったく・・・これからも、私が転んだところを見てたら
斗真が起こしあげるのよ!?わかった!?」



「う、うん!解ったよ!”百合愛ちゃん”!」



「百合愛ちゃん・・・か、懐かしい響きね!」



百合愛ちゃんは驚きながらも嬉しそうに言った。



「そ、そうだね・・・!」



「あ・・・で・・・。なんで急いでたの?」



「あぁ!そうだった!」




俺は再び腕時計を見た。



「うん!まだ間に合う!百合愛ちゃん!一緒に走ろう!」



俺は百合愛ちゃんの手を握ったまま走り出した。