早乙女さんはいつも1番最初に教室に来ることを
よく自慢していたんで、早乙女さんより先に来れば
早乙女さんと二人きりで話をできる時間ができるのだ。



早乙女さん・・・いっつも誰かに囲まれてるからな・・・



早く来てくれ・・・!



ガラッ!


そう思った瞬間に、教室の扉が開き
俺が扉の方を見ると、案の定早乙女さんが少し驚いた顔で入ってきた。



「斗真?どうしたの?こんな朝早くに?」



「さ!早乙女さんに話したいことがあって!」



「話たいこと?そんなの生徒会室で話せば―――」




「ふ!二人きりで話したいから!」



「・・・。だから、こんなに早くに?」



「うん・・・だって、早乙女さんいつもひとりのときないし・・・」



そう言うと早乙女さんはフッと笑って



「私は別にかまわないのに・・・」



「お!俺はかまうから!」



はいはいと頷きながら早乙女さんは要件を聞いてきた。



「で?何の話?」



「今度の休み!一緒に行きたいところがあるんだ!」