私は少し俯いてから雫(ナミダ)を拭い、そして言った。

「翔・・・・・・、翔の風邪が治ったら行こう。デート。」

自分でも分かる。

多分、私の顔は今真っ赤だと思う。

その証拠に、クスクスと翔も笑ってた。

でも・・・・・・、翔。

翔も―――・・・・・・

「顔、赤いよ?」

精一杯の意地。

つん、と翔の、普通の人よりも白い肌に触れた。

私が指摘すると、先程よりも翔の頬は赤くなった。

「る・・・・・・さい・・・・・・」

ふい、と翔は顔を逸らした。

私が笑うと、つられた様に翔も笑った。

楽しくて、楽しくて・・・・・・。

ずっと、ずっと永遠に続けばいいと思った。

『永遠』が無いと、心の隅では分かってた。

けれど、それはきっともっと遠い日だと思ってたんだ。

なのに、

『永遠』が『終わるとき』がこんなにも早く来るなんて―――・・・・・・。