ガラ・・・・・・

私は『朝生 翔様』とプレートのかけられた個室に入った。

「・・・・・・翔」

翔は、ゼイゼイと苦しそうに息をしていた。

こんなにボロボロになって・・・・・・。

私が近づくと、翔はチラリと此方を見てから、嬉しそうな顔をした。

「れ・・・・・・いわ・・・・・・」

翔は、懸命に何かを伝えようとしている。

「何?」と私は言った。

「・・・・・・で・・・・・・と・・・・・・」

私は耳を近づける。

翔の唇の動きに合わせて、声を出していく。

『た・ん・じょ・う・び』

『お・め・で・と・う』

にこり、と翔は笑った。

ばか、私にはそれしか言えなかった。

今、何か言ってしまったら、きっと・・・・・・







泣いちゃうから。