悠が耳元で

「水島先輩も一緒だろ」

「……」

悠…お前それが目当てか。

再び先輩に目を移すんだが…

何か千葉先輩と仲良く話してる。

千葉先輩は野球部のエースピッチャー

顔もイケメンだから人気がある。

「お兄ちゃん、悠ちゃん、早く行こう」

俺に愛を渡し、自分は悠の腕を引っ張り囲んでる女子達から連れ出した。

「あんなにいたらいつまで経っても帰れないよ。お兄ちゃんも悠ちゃんも囲まれて嬉しいの?」

こういう時の陽菜はてきぱきしてるつうか厳しい。

「嬉しいなんて言ってないだろ」

「は~ん。どうだかね」

「陽菜」

「あれ、凛ちゃんは?」

陽菜は俺の話しなんか聞いちゃいない。

悠と愛がクスクス笑ってるし。

「あ、いた。…あれ、誰だろ?」

千葉先輩を見て陽菜が眉をしかめてる。

悠が

「千葉先輩」

「呼んで来よう」

行きかけた陽菜を

「待てって。先輩も話があるだろ。待ってろ」

「う、うん」

陽菜が2人を恨めしそうに見てる。

暫くして

「ごめんね」

先輩が此方に走って来た。