「ひさしぶり、お袋。」 強い日差しが二人の影を作り出す。 線香と、花の香りにまざる彼女の香りが心を落ち着かせた。 本当はココに来ることを躊躇した。 ココは殺風景で、冷たい。 母のあの暖かい温もりと真逆すぎて、ひどく頭痛がする。 「お袋、心配かけて、待たせてごめん。やっと報告できるよ。」 亜香里が隣にいる、そのことが僕の心を落ち着かせたのだろう。 今日は頭痛がしない。