亜香里(あかり)と僕は小学校の同級生で家も近く、よく一緒に川沿いの道を遊びながら帰った。



いつからそう呼ぶようになったかわからないが彼女はいつも僕を『恭ちゃん』と呼び、笑って隣を歩いていた。



僕は彼女が好きだった。



きっと初めて彼女が笑いかけてくれた時からだろう。



好きだと自覚したのは中学にあがり、『亜香里ちゃん』から『亜香里』と呼び方を変えた時だ。



驚き、頬を染めた彼女の、初めて見る姿に素直に好きだと思った。