『ジャージャー』と、水が勢いよく蛇口から吹き出ている。
トイレで顔を洗うルミ。
私はいつだってルミの味方でいようと思いながら、ルミにハンカチを渡すと「ありがとう」と微笑んだ。
そして、鏡に映った自分の顔を見て笑った。
「ヤバ、化粧全部取れちゃった」
「ルミはすっぴんの方がかわいいよ」
「そっかな。じゃ、無理して背伸びするのやめてみようかな」
ルミはそのまま教室へ。
天野くんもびっくりしていたけど、クラス全員がざわめくほど驚いていた。
そのざわめきで一瞬校舎が揺れた気がする。
私は更にルミを好きになった。
ナチュラルで今までよりちょっと幼く見えるピーチ色の頬と、その表情がすごくかわいかった。
もし私が男だったらルミに愛の告白をしていたと思う。きっと二人は相思相愛。