五日間、天野くんの家に通い詰めて、やっと夏休みの宿題が終わった。
「うおー、俺よく頑張った。エライ」
「普通、自分で自分を褒めないでしょ」
「いいのいいの。たまには自分の事、甘やかさないと。梨織、ちょっと待っててな」
天野くんはそう言うと部屋を出ていった。
本棚には野球の漫画が以前と変わりなく並んでいる。
手に取ってパラパラとめくっていると、天野くんがあのプリンを持ってきてくれた。
「はい、ご褒美」
「わー、おひさまプリンだ」
「宿題終わったら二人で食べようと思って買っておいたんだ」
「蒼太くん、ありがとう」
私は漫画を本棚にそっと戻した。