日曜日、両親がケンカする声が聞こえていたけど、私はメールの返信に追われていた。
夜の九時を過ぎた頃、三日ぶりにルミからメールがきた。
《梨織、涙。
佐伯先輩には大学生の女がいて、その女が一番でルミは二番なんだって。
それでもいいなら今まで通りの関係でいようって。
ルミが一番じゃなきゃイヤって言ったら、別れる事になった。二番でもよかったかもしれない。ルミには佐伯先輩のいない世界なんて考えられない。
もうシにたいよ》
私の手は自然にメールを打っていた。
《ひどい。なにその先輩。そんな先輩忘れなよ。ルミがいないと私寂しいんだから。ルミがいなくなったら寂しいよ》
傷ついたルミの心をこの私の言葉で救う事ができるだろうか。
ルミからの返信を祈るように待った。
五分後、着信音がした。
《梨織ありがとう。最悪だけどあんなヤツのためにシぬなんてありえないよね》
《そうだよ。元気出して》
《元気出た。それにね、実はヒソカに天野くんのメアドゲットしてあるんだ。
梨織がジコショでつまった時、ルミが梨織にファイトって声かけたの覚えてる?
天野くん、ルミの事、優しいって思ってくれたみたいで。梨織のおかげだよ。ありがと》
……天野くんは私にも「優しい」と言ったのに。
誰にでも言う言葉なんだ。
私の目から涙が溢れていた。
ルミがいなくなったら寂しいと思っていたけど、たった今、そうではなくなった。
私が寂しくてもルミがシにたいなら、ルミは私と離れても寂しくないのだから。
ルミなんてこの世からいなくなればいい。