ブラを隠すようにプールの水面を見ると、三日月の光が私と零士を照らしていた。
月明かりで零士の白い肌が透けている。
月光を吸い込む夜のプール。
私が指を動かすと波紋が広がり、その月を揺らした。
「空、星が綺麗だよ」
見上げると夏の星座がくっきりと夜空に浮かび上がっていた。
星が夜空に恋焦がれるかのように。
「ほんとだ」
私の体から恥ずかしさが消えていた。
「そのまま、仰向けで力抜いてみて」
零士の言う通り、力を抜いてみようとしたけど、溺れてしまいそうで怖くて。なかなか抜けない。
「オレがちゃんと支えるから」
零士の手が私の腰と首の後ろに当てられていて、私はその手を信じて力を抜いた。
体が足元にある水圧に逆らうように浮いた。