零士は冷蔵庫から烏龍茶を出し、グラスに注いでくれた。


「これ飲んだら行くぞ」


「えっ、どこに?」


よくわからないまま烏龍茶を飲むと零士が私の腕を掴んだ。


そのまま引っ張られるような形で玄関の外へ出た。


「なに、どこ行くの?」


「いいから黙ってついてこい」


ついてこい、っていうより、引っ張られてるんだからついていくしかないじゃん。

エレベーターに乗せられ、二人で地下へ。


零士はちょっと強引。

でもそこが零士の良い所なんだと思う。

時代に足跡を残すような人は強引さも必要。

相手の日常を自分の日常という渦に引き込み、自分色に染めていく。