体ごと零士にすがりたい。
同情でもなんでもいいから優しくしてほしい。
「それってさ、すごい失礼な話だよな」
「えっ……」
「だって、その天野って奴とは一緒になれないけど、他の男とならなれて、子供生んでその子を虐待するかも、って話だろ」
零士の言葉がストレートでなにも言えない私。
「他の男と子供なら不幸にしてもいい、って、オレにはそういうふうに聞こえるけど」
「そうじゃなくて」
「そうだろ。でなきゃ、君は一生独身でひとりで生きていくしかないよ」
リングの上で殴られたボクサーのように、一瞬、意識が遠くなった。