清水くんはこれからルミとデートだと言う。
「清水くん、無理に聞いてごめんね。ありがとう」
私はそう言って公園を出た。
二人はこれから海へ行くらしい。ほんの少しだけ羨ましく思った。
私にはできないバカンス。
ビーチに立つルミは顔の幼さとは対照的なその体で周りを惹きつけるだろう。
でもいいんだ。
私にはラズベリースターがいる。
ラズベリースターは私の中で一番星より輝いていた。
今日はレッドポイント。新宿にあるライブハウスだ。
そこへ行く前に私は一度、家に帰り、お風呂場で前髪を切った。ざっくりと。
これこそ衝動だろう。
そして、レッドポイントへ向かった。
少し切り過ぎてしまった前髪を手で押さえつけながら。