その夜はベッドの上で何度も寝返りを打った。

天野くんのベッドで寝た時の苺ミルクのような匂いが忘れられない。



眠れないとこんなにも夜が長くて朝が遠いものなんだ。


結局、一睡もできずに朝を迎えた。


頭と喉が痛かった。寒気もした。でも熱はなくて。昨日、雨に濡れたから体調を崩したのかもしれない。


家にあった頭痛薬を飲んで、台所に立った。

朝ご飯は今でも私が作っている。

でも、もうグリンピースのスープは作らないだろう。思い出したくないから。あんなに幸せだった光輝く朝を。